大森靖子 ツアーファイナル@中野サンプラザ
彼女が見せてくれるものはいつだって最高で、息を忘れてしまうくらい圧倒される。
初めて知ったのは逃げ照ちゃんのツイートからだったと思う。
逃げ照ちゃんが好きだった「PINK」を聴いたのが出会い。
それからYouTubeで『魔法が使えないなら死にたい』を100回くらい聴いた。
『ミッドナイト清純異性交遊』で心を掴まれて、今に至る。
◆2015年4月26日 中野サンプラザ
ツアーファイナル。
弾き語りから始まって朗読やバンドサウンドまで、ほぼ休みなく。
ラジオで「普段ダメダメでも、ステージに立ってる間はベストを尽くす」と言っていた通り、空間を完璧に掌握するステージ。
静寂をコントロールする感じとか本当に鳥肌立った。
彼女が叫ぶ空間が本当に好き。
二階席からキラキラのステージで歌う彼女の声を聞きながら、ほんの数ヶ月前の自分の生活を思い出していた。
そのどれもが真っ暗でどうしようもない。
本当に毎日が嫌で嫌でしかたなくて、ぜんぶ徒労で無意味だって思ってた。
春が来ても、返事はない。
誰かの端っこだけをかじるような日々で、食費は1日500円で。
深夜のコンビニに肉まんはなかった。
西友のオバサンは優しくなかった。
牛乳とスイスロールだけ買って帰った。
そういう生活に、彼女の音楽は自分にぴったりだった。
彼女のラジオを何度も聴いて、笑ったり泣いたりした。
「狂っても狂ってもちゃんとやれる」
って言葉を信じてみようと思えたのは、彼女のアーティストとしての立ち振る舞いがカッコ良くて、勇気を貰ったから。
いまようやく立ち上がれた。
もっともっと、頑張らねば。
受け取った力を抱いて生きねば。
◆万華鏡
彼女を通して知ったアーティストも多いなと思う。
majoccoさん
渋澤玲さん
ごとうゆりかさん
さいあくななちゃん
ゆっふぃーさん
最果タヒさん
などなど、たくさんのアーティストに触れるきっかけをくれた。
いろんな世界を覗かせてくれた。
だから僕にとって彼女は万華鏡のようなひと。
女子トイレを覗いていた彼女の窓からは、カラフルでキラキラな世界が見える。
ライブが終わってアナウンスが流れる頃、やっと息をするのを思い出して、同時に息を止めることは許されないのだと悟った。
毎日は毎日やってくる。
「あたしはミラーになりたいんですよ。みんなが持ち寄ってきたものを増幅して反射する鏡に。そういう芸術になりたい」
センチメンタルな夜とふたりぼっちで、明日は怖いけれど、その明日を超えなければまた今日ような日を迎えることができない。
毎日は手作りだよね。
光って光って反射できるように、おしごとがんばるぞい。
おやすみ。