園子温の「ズバリ!ラジオ」が面白かった!

 
 
いやあ、おもしろかった!
 
 
2013年1月25日、映画監督の園子温ニッポン放送でラジオをやってました。園子温といえば『自殺サークル』とか『愛のむきだし』とか『ヒミズ』とか数々の名作を世に出してる監督です。50分という短い枠でしたが、彼の壮絶な体験が語られました。これが人生初のラジオパーソナリティみたいです。なんとなく聴いてたのですが、面白かったのでメモしておきます。文字起こしじゃなくて、エピソードをツイッターサイズで断片的に拾ってますのであしからず!
 
 
 
 
■こども時代について
「物心ついたときからウチって違うなと思っていた。お爺さんが死んだときに、棺桶に入れられるじゃないですか。それで、普通は花なんだけど、お爺さんの顔の周りをSMスナイパーとかのエロ本が囲んでて。親戚も『これは燃えるだろうね』って。おかしいじゃないですか。でも、こういう環境で、僕もエロ街道を突き進もうと思った」
 
「あるとき、みんなが服きてるってなんだろって思って。通学路を全裸で歩いて、そのまま教室に全裸で入ったら先生に怒られて。今度は全裸をやめてアソコだけ出してたんだけど怒られた。“権力とチンチンの戦い”ですよね。子供時代からけもの道、アドベンチャラスなことがしたいと」
 
 
 
■東京にいけばセックスができる
「『童貞を捨てたい!』という思いを持って東京へ出てきた。東京に来れば全てが別次元になるに違いないという思い込みで。東京駅で白いギターを奏でてればセックスにつながる!と。そしたら本当に起こるんですよね。女性が『このへんで24時間空いてるとこありますか』って尋ねてきて」
 
「ぼくは即座にこう意訳しました『いまから私とセックスしませんか』と。そして二人でホテルに行くことになったんだけど、部屋に入った途端に鞄から巨大ハサミ出して「いまからここで死にましょう」って言われて、否定したら「もしくは明日の朝、旦那になりすまして一緒地元にいかない?」と。どうやら旦那と喧嘩別れしてフラフラしてたらギター持ったぼくに会ったらしい」
 
「それからしばらくは彼女の地元で暮らし出すようになった。彼女の母には『やけに若い旦那ね』と言われた。なんとか生活を続けていたが『辛いです』と彼女に直訴すると、意外にもあっさり了承してくれた。その後少しばかりのお金をもらって東京に戻ることに」
 
「東京に戻ってから銀座で『時計じかけのオレンジ』を見た。いま映画監督をやっているのはこの影響が大きい。この映画を見なければ何もなにもなかったかもしれない、運命の映画」
 
 
 
■東京ガガガの話
「渋谷のハチ公前で横断幕に詩を書きなぐって、それを持って走り回る。“歩行者天国”ならぬ“歩行者地獄”を生み出したいという思いを叶えたくて。思想とかは全然ない」
 
「最初は映画仲間10人でやってたんだけど、どんどん増えて2000人くらい集まるようになった。はたから見たらたぶん新興宗教みたいだっただろうね。警察にも何度も呼ばれた。デモ申請しなくちゃならなくなって目的を“ポエム”にした。最後には暴れたい人たちを統制する役割になってきて、本来目指していたものとはかけ離れてつまらなくなってやめた」
 
 
 
■ハメられた話
「東京ガガガ時代にセックスした娘がいて、『あのときセックスしましたよね!いますぐK町にきてください』って言われて。『もし来ないっていうなら黒い車があなたの住んでるアパートを囲みますよ』って言われて怖くなって。とりあえず彼女の住んでるK町に行くことに」
 
「呼び出された駅前のファミレスはガラス張りだった。最初に『なんで3年前のセックスについて言われなきゃいけないんだ』と。そしたら『レイプしたことになったんで!』って言われて。そんな事実はないから何度も何度も否定して、帰ろうとしたらその女は『あたし組長の娘なんです』と。」
 
「彼女がガラス張りの向こうを指差して、そこにはジャージ姿でチューインガム噛んでる輩がたくさんいて。そいつらに連れられてビルの最上階に行く。そして扉を開けたら漫画のように麻雀をやってる音が奥から聞こえてきて、漫画のように『お前か!うちの娘をレイプしたのは!』って怒鳴られて。ここで間違った答え言ったら殺されるなって」
 
「頭の中に『やってません!』って言いながら血だらけになってるシーンが浮かんで。否定してるのに殴られるパターンって情けなくてかっこ悪いなって」
 
やりました!』って応援団くらいの声で叫んだら、ときが止まったようになって。組長が僕の目を見て、そして娘が目をすっと逸らすのを見て状況を全て把握したらしく事なきを得た。それどころかその3分後には『おもしろいやつ』とか言われて結局すぐに帰ることができた」
 
「この体験は「地獄でなぜ悪い」という映画になってて。地獄みたいな体験であっても映画にしちゃえばこっちのもんだし」
 
 
 
 
 
 
とかとか。
他にもいろんなエピソードが語られてました。
 
・最近魔女に会ってる話
・悪魔教の話
・サンフランシスコでホームレスしてた話。
・10円で買えるZ級映画を見て、俺もこんな映画を作ろうと思った話
・『自殺サークル』は徹底的に嫌われるように作って、案の定日本では全然ダメで海外ではすごくウケた話
・ハリウッドに渡って「映画やりたいんですけど」って飛び込み営業やってたら、FOXの会長から連絡を受けて会いに行った話
・エンターテイメント性を入れて大成功した『愛のむきだし』の話
 
 
 
 
とにかく面白かった!
ラジオのなかで「自分の体験を映画に昇華させることが使命だ」と語っていた園子温ですが、最後に4つの宣言をしていました。
 
 
 
芸人宣言→「ひな壇芸人に俺はなる!」
 
演劇宣言→「劇団旗揚げします!」
 
ラジオパーソナリティー宣言→「オールナイト狙ってます!」
 
マンガ原作宣言→「やってみたいんだよね!」
 
 
詩人としてデビューし、「東京ガガガ」で渋谷を徘徊し警察を騒がせ、『愛のむきだし』でサブカルクラスタから評価され、現在は映画監督として引っ張りだこの園子温ですが、今後は「マルチタレント」を目指して活動するようです!