メンヘラ展SPに行ってみた!インターネットからリアルへ



メンヘラがリストカットするのは「世界とうまく手が繋げないから」ではないか。
ツイッターにそれを上げるのは誰かに自分を見て欲しいという小さな願いではないか。

世界との手の繋ぎ方を探っているようにも見える。
美しいとは言えないが、理解できないことではない。





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メンヘラ展に行ってきた。初日である。


なんか巷で話題っぽい。
開催情報解禁時のツイートがRT5000くらいされてたりした。



基本情報はこんな感じ。
メンヘラ展 SP
http://menheraten.ame-zaiku.com/top.html#!page1

メンヘラ展 Special【会期:2015年2月4日 (水) – 2月12日 (木)】

出展者:
キュレーター:あおいうに @
Tumblr:uniaoi

メンバー:
ナカバヤシアリサ @
中村 雅樹 @
池田サチ @
Fluyn @
スペシャルゲスト:江崎びす子 様

会場:TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐ヶ谷北1-31-2)
営業時間:11:00-20:00[定休日:木曜日]

あ、それから入場料は無料


以前から「メンヘラ展」についてはTwitterを通して認識しており興味はあったものの、実際に足を運ぶのは今回が初めて。



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左上の絵
ピンクで、子宮のような、心のような、人間のような、境界が曖昧で不安定な感じ。ずっと見ているといろいろな発見がある。



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「こうしていられたのはどうかしてたからだ」



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「拒絶」のエネルギーが強すぎて、惹かれてしまうという逆説。
無による拒絶ではなく、圧倒的な有による拒絶。



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メンヘラチャン



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お風呂に入っているかのように穏やかな表情でありながら、腕は外に転がっている。
ケースに押し込んでもうまく入りきらない身体の煩わしさ、という視点から見ても面白い。






ということで写真おしまい。
もちろんブログへの掲載許可はいただきました。
ほかにも紹介しきれないくらいたくさん素晴らしい作品があったので、是非。

会場の雰囲気はすごく和やかでいつまでもいれるような気がした。こじんまりした感じ。
一人で見にいくの不安だったけど、来場者のほとんどは一人客だったので怖がらないで大丈夫。
リアルな空間に身を置き作品と対峙して、心に咲いた感動が充満した状態で、アーティストの方と直接お話しできるというのはリアルならでは。
ご在廊だった江崎びす子さん、ナカバヤシアリサさん、ギャラリーの方、お話ししてくださってありがとうございました!


個人的な意見として投げ銭ではないけれど、ご在廊でなかった方にも気持ちを伝えたかったな、と。
たとえば、小さなグッズを購入するなどの行為を通して。
アートに触れるってものすごい感動的で、心がグルグルするくらい楽しいことで、それを言葉にするだけでなく、ちゃんとクリエイターの方に形として示せたらいいなと思った。リアルで。
5〜6万の作品を買う力がなくて申し訳ない限りですが。せめて、なにか残させていただけたらなあと思った。

社会と繋がる、って経済的に繋がることも含むと思うので。







それから、これは触れるべきか迷ったことだけれど。
メンヘラ展についての意見として「ガチメンヘラがファッションメンヘラを見下す」という構図がメンヘラ界隈にあるのはなんとなく知っている。具体的には「メンヘラを利用するな」「そもそもメンヘラではないのではないか」といった声。

個人的にはすごく悲しい意見だと思う。

誰かやその活動を強く否定することは、見下す人が最も欲しいはずの「寛容」を自ら拒絶することにほかならないからだ。
分かり合えないこともある。しかし、分かり合えないことを理解することだって必要なことだ。
賛辞しないまでも、否定することはない。
医者に名前を貰ったからといってその人間が強くなるわけでも弱くなるわけでもない。

分かり合えないけれど、共に生きる」という寛容が、もっと広がればいいなと思う。



というわけで、大変心に残る展示だった。行ってよかったなと帰りの電車の中で何度も思った。
行こうか迷ってる人は行ってみたらいいと思う、タダだし。


アート系の展示会はいくつか行ったことがあるけれど、その中でも群を抜いてヤバさがあった。
メンヘラ展は「アート」「自己表現」という手段によってリアルな世界との手の繋ぎ方を模索していて、それは精神疾患のない僕にも伝わった。理解できた。心が震えもした。ちゃんと、繋がった。