12年前、ある日本代表選手にレガースを拾ってもらった話

今週のお題「サッカー」

 

そんなわけでW杯が開幕した。

 

はげちゃんはサッカー歴7年の球蹴りボーイである。
あんまりツイートしないけど、W杯は猛烈に楽しみにしていた大会。


といっても、いまじゃサッカーしてない歴7年。
丘フットボーラー。
公園でリフティングしたら全然できなくなってた。
かなしい。
ただ、観戦するのは好きで代表戦はもちろん高校サッカーに一人で観に行ったりする。
高校サッカーは一発勝負という特性上、物語としてものすごく秀逸なので誰か一緒に行きましょう。

 

小学生のときは地元Jクラブのシーズンパスを持っていたので家族で行っていた。
当時は4000円くらいだった気がする。
サンシャイン水族館の年パスと同じ値段ですよ!
安すぎ。
もっとも、当時のクラブは無料チケットを配りまくってサッカーを観る“体験”を県民に浸透させるフェイズだったのだけどーー。

 

 


◼︎河川敷のサッカー場で

さて、そんなふうにサッカー少年だった頃を思い返してみると一つ記憶が蘇ってきた。


日曜日だったと思う。
大会でも公式戦でもなく、近郊のサッカーチームとの小さな練習試合。
もちろんやってる当人たちは本気で目の前の相手に勝とうとしている。
小学生同士であっても戦いは戦いだ。

 

芝でも雑草でもなく砂利混じりの河川敷コート。
とてもじゃないがスライディングなんてできない。
ただ、その環境の良し悪しは子供にとってほとんど意味をなさない。
“試合”は小学生の子供心を昂らせるのに十分な響きだった。
毎日練習を重ねてきた仲間たちとチームとして戦うということが何より楽しいし燃える。

 

ゲームのことはほとんど覚えていない。
勝ったのか負けたのかさえ。
照り返す熱でうだるように暑かったのを覚えている。

12年前の夏の日。

 

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試合中、相手選手との接触プレーによって僕のレガースが外れてしまった。
レガースというのはソックスの下の膝あてのことで、膝を蹴られてケガをしないようにする安全具のこと。これがあることで接触による衝撃を緩衝することができる。


どういうわけか、ソックス下にあるはずのそのレガースが外れてピッチに転がってしまった。
ただ、プレーが途切れてから取りに行こうと決めた。
レガースを外して数分プレーしたところで大きな影響はないからだ。

 

ボールがタッチラインに切れたところで、ふっと息をついてレガースを探しにいく。

 

 

 

 

すると、相手チームの選手が近づいてきた。
不思議に思ったが、僕のレガースを拾って持っているのをすぐ確認できた。
ほほえみながら渡してくれた彼の顔が忘れられない。
何度も「ありがとう」と伝えた。

 

 

敵である自分に対する優しさ、周りの状況が見える余裕。
負けた、と思った。


そのシーンを強烈に覚えているのはそれが紳士的な行為だったことと、彼がすごくイケメンだったからだ。
少し背の高い彼の顔を見上げると、鼻が高く肌が白くて瞳は茶色だった。
都会だったらなんてことはないのかもしれないが、田舎の小さな町で日本とドイツのハーフに出会うことはごく稀だ。

 

その上、相手チームの中で一番上手だった。
パスは正確だったし、ピッチの誰より足が速かった。

 

 

 

 

 

 


それが、酒井高徳だった。
それから6年後、彼はプロになった。
ついでにパパにもなった。


アルビレックス新潟からシュツットガルトに移籍し、ワールドカップを戦うメンバーに選ばれた。
招集後にケガをしてコンディションが心配されたが現在は全体練習に復帰しており、長友のバックアップとして働いてくれるだろう。

 

 

新潟出身の選手として初めてのW杯戦士ということで期待は高まっている(らしい)

酒井高徳選手の母親らが必勝祈願(BSN新潟放送) - goo ニュース

新潟)W杯で高徳の雄姿を見たい 弥彦の男性、応援に熱 - 2014ワールドカップ:朝日新聞デジタル

 

 

 

もちろん彼が僕のことを覚えているはずはないんだけど。
ただ、彼の素晴らしいパーソナリティをあのとき知ったし、誰かに伝えることができたらと思ってブログを書いている。

 

たった一度の対峙でこれほど熱を帯びるのだから、同じチームで戦った人やそれを支えた人たちの喜びたるや想像に難くない。

 

あのとき、あの場所で、一緒にサッカーをしていた少年がいま日本代表としてブラジルで戦う。
素直に嬉しいと思う。
同じピッチで同じボールを追いかけられたことを誇りに思う。

 

 

 

 

 

 


◼︎そういえば…!


そんな感慨にふけっていたところ、弟の友達がめちゃめちゃサッカー上手なんてことを思い出した(どんだけ思い出すねん)
それだって10年も前のことだ。弟が少4くらいのとき。
少年サッカーで無双する選手なんてごまんといて、ごまんと消えていく。

 

今はきっと高校生。
名前で検索したら出てくるかな〜〜
……なんて気になったので10年の時を超えて検索してみたところ…

 

 

 

佐久間理央 | ゲキサカ[講談社]

 


なんとU-17日本代表になっていた!!!!!

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すげ〜!!!
ウチのリビングでスマブラしてた人が青い代表ユニ着て海外遠征してるとかすげ〜!
がんばれ〜〜!!!!
すげーがんばれ〜〜!!!
東京五輪出れるじゃん〜〜!!!!!


すげぇ応援する〜〜!!!!!!!!!!

 

 

自分のすぐそばにいた人が活躍するというのはやっぱり嬉しいものです。
KIRINのこのCMみたいに。

 

「応援する者」

 

 

それぞれの選手たちに想いを投じて試合の行方を見守る。
選手一人一人が生きてきた分だけ道はあって、その道の沿道でたくさんの人が旗を振っている。

子供の頃そのへんでサッカーしてた少年がこうやってW杯のピッチに立つ。

裏返せば、いまそのへんでサッカーしてる子どもたちが日本代表になり得るということ。 

 

 

 


◼︎いざゆかん、コートジボワール戦。

 

頼む〜〜〜!!!!

 

ゴートク時間稼ぎ要員でもいいから出ろ〜〜〜〜!
三条市民を1分でいいから湧かせろ〜〜〜!
市長の顔を立てろ〜〜〜!!!!

 

 

ガンバレ GO徳!! 酒井高徳選手応援プロジェクト - 三条市


世界にカツぞ!酒井高徳がんばれ献立
市内小中学校等で、学校給食において「世界にカツぞ!酒井高徳選手がんばれ献立」で応援します。
世界で輝け、がんばれ高徳!

 


パブリックビューイングなんてチャチなモンじゃねえ……

 

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街の給食を変えた……

おそるべき男よ、酒井高徳……!!!!!!!

 

オオオオオオオ〜〜〜!